歯周病の診断
現在の症状を診る
歯周病の検査には、どのようなものがあるでしょう?
まずは、現在の歯肉や歯槽骨など歯周組織の状態の検査について紹介します。
【歯周ポケット検査】
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歯と歯肉の間の溝のことを歯肉溝といい、歯周組織が炎症によって破壊されていくとだんだんと深くなります。
この深さにより歯周病の進行具合を診ます。
プローブと呼ばれる器具を用いて、測定していきます。
一般に2ミリ以下は健康な状態ですが、それ以上になると歯周ポケットと呼ばれ歯周病の可能性があります。
【触診・出血検査】
- ポケット深さを測定しながら、出血の有無も確認したり、歯根の形状や歯根についた歯石の状態などを調べます。
【動揺度検査】
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ピンセットを用いて、歯の動く状態をみます。
これにより歯周病の進行度を調べます。前後左右、上下など大きく動くようであれば、歯をしっかり支えられないほど、進行していることが推測されます。
【X線写真検査】
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X線撮影により、目では見えない歯肉の下の骨の状態を確認します。
歯石の沈着状況やむし歯の状態などもこれでわかります。
【その他】
- かみ合わせの力や位置、また歯と歯のすき間の大きさなどさまざまな視点から診断します。
歯周病のリスクを診る
歯周病を招く細菌や生活習慣、歯みがき習慣などを見て、現在の症状に加え、歯周病を悪化させるリスク要因がないか調べます。
症状を抑えるだけでなく、原因を調べて対処するためにも重要です。
【細菌検査】
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写真提供:東京医科歯科大学大学院 歯周病学分野准教授 渡辺久先生
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唾液などを採取し、歯周病原菌がどれだけ検出されるか調べます。
これにより、歯周病のリスクを診断します。
現在症状がなくても、歯周病原菌が多いと将来歯周病になる可能性が高いと言えます。
【ブラッシング状況の確認】
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歯みがきの状態を確認します。みがき残しが多いところは、普段からみがけていない可能性があり、そういった場所には長くプラークが存在していることになります。
歯周病原菌は、空気を好みませんので長く口の中にあったプラークの奥深くに多く存在していることが想定できます。すなわち、そこは歯周病のリスク部位ということになるのです。
【問診】
- 問診により、生活習慣などを聞きとり、歯周病のリスクになり得る生活習慣や環境がないか確認します。
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【出典資料】
花田信弘先生監修『発展していくMI QOL向上のために歯科医療にできること』株式会社ジーシー
『デンタルなぜ?なに?Part2 歯周病編』GC友の会
【出典資料】
花田信弘先生監修『発展していくMI QOL向上のために歯科医療にできること』株式会社ジーシー
『デンタルなぜ?なに?Part2 歯周病編』GC友の会