オトナのお口のケア
特集4 電動歯ブラシ
どこがちがうの? 電動歯ブラシ
このところテレビCM、また家電量販店やドラッグストアなどでも目にするようになり、以前に比べずっと身近になってきた電動歯ブラシですが、回転式や音波、また超音波などさまざまタイプのものが発売されており、使ってみたくても何を選んでよいのかまったくわからないという人も多いのではないでしょうか?
まずは大きく分類して考えてみましょう。
バイブレーション方式
ブラシヘッドが3000〜7000回/分の微振動によって、器械的に汚れを落とすもの。反復回転方式
ブラシ全体又は一部が7500〜8800回/分反復回転して汚れを落とすもので、ブラシの一部が固定されたものや回転に加えて上下に振動してたたくようにしてよごれを落とすものもある。音波方式
約31000回/分の振動により音波(200〜300Hz)sを生じさせ、その音波のエネルギーによってプラークを破壊するもの。音波は液体中を伝達するので直接当たっていない深部の細菌にもダメージを与える。超音波方式
ブラシの先の部分に電圧をかけることで1.6MHzの超音波を発生させるもので、振動幅が小さいため、手用歯ブラシを使うように手で動かして使う。音波歯ブラシと超音波歯ブラシ
音波とは、振動によって生じる波動のことを言い、人間が聞き取れるのは20〜20000Hz(ヘルツ:1秒間の振動数)くらいまでといわれています。20000Hz以上になると人間には聞き取ることができません。この音域を超音波と呼んでいます。音波方式の電動歯ブラシと超音波方式の電動歯ブラシが市販されていますが、どちらも口の中の細菌に作用するため、同じように考えがちですが、前項の表に示したようにメカニズムは異なります。そのため、使用法も違ってくるので、ここでは音波歯ブラシと超音波歯ブラシに的をしぼって使い方を説明しましょう。
【音波歯ブラシ】
約31000回/分の振動とその振動により発生した音波によりプラークを除去します。音波の振動によりブラシの直接当たっていない細菌にダメージ与えて汚れを落とすことができると言われています。使用する際は、ブラシの毛先を軽く当ててたまま、1本ずつずらしながら動かしていきます。振動幅は1mm以下の製品も登場し、初めての方や歯周病の方でもより使いやすくなってきました。【超音波歯ブラシ】
ブラシの先に電圧を加えることで1.6MHzの超音波を発生させるもので、この超音波によりプラークと歯との結合力を弱めたり、また歯ぐきなどの傷の治ゆを早める効果があるとも言われています。しかし、振動幅が小さいため、プラーク除去の目的においては補助的な効果にとどまるので、手用歯ブラシと同じように動かして使います。この点が音波ブラシとの使い方の大きな違いです。どちらも音波や超音波による細菌に直接影響を与える効果があるのが大きなメリットですが、基本的にはブラシの振動によって(超音波の場合プラス手の動き)機械的にプラークを除去するという点ではこれまでの電動歯ブラシと変わりません。長時間使用したり研磨剤の入った歯みがき粉と併用したりすると歯面や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。使用する時間は2分〜3分にとどめ、また研磨材の入った歯みがき粉などとの併用は避け、使用する場合は専用の歯みがき粉を使用するようにしましょう。