むし歯と育児のまめ知識
2003.12
子どものむし歯予防は1歳7ヶ月からの1年間が重要!
むし歯の原因となる細菌(特にミュータンス菌)は、生まれたばかりの赤ちゃんには存在しません。それらの多くは、主に母親などの家族から乳幼児期に感染することがさまざまな研究から判明しています。特に奥歯のはえだす1歳半ころから2歳半ころまでは『感染の窓』と呼ばれ、この時期に感染することが最も多いといわれています。それ以降になると口の中の細菌のバランスが決まってくるので感染の可能性は低くなってきますが、この時期に感染するとむし歯原因菌は優勢になり、生涯むし歯原因菌とおつきあいすることになります。
また、この時期に母親に対してプラークコントロールや衛生指導などを徹底した結果、その子どもへの感染は半減し、それ以降も少ないまま保たれたという報告もあります。このほかにも妊婦対象の母親教室において噛み与えをさせない指導を徹底させた結果、2歳半までにむし歯を全く作らなかったという報告もあり、この時期の家族のむし歯原因菌のリスクを把握し、対策を立てることが非常に重要であることが分かります。
一見大変なようですが、逆の見方をすれば、この時期さえ注意しておけば感染しにくいわけですから、この1年は気合いを入れてケアしたいものです。かわいい赤ちゃんをむし歯にしないためにも…。
赤ちゃんにむし歯菌を感染させないために心がけたいこと
奥歯がはえたら…- 家族のむし歯原因菌のリスクを把握し、家族自身が口腔衛生を心がける
- 噛み与えや箸などの共用など、家族の唾液が触れたものを赤ちゃんが口にするようなことは避ける
- 歯のはえはじめからのブラッシング習慣(またはガーゼなどによるふき取り)
- できるだけ砂糖を多く含む飲み物や食べ物の摂取を控え、規則的な時間におやつを与える
- フッ素入り歯みがき剤やジェルなどを使用する