QOL向上のために歯科医療にできること:MI21.net

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ヘルスプロモーションを取り入れたアプローチ

歯科医院にはさまざまな症状や問題を抱えてまたさまざまな環境下にあるさまざまな性格の人々が訪れます。
歯科医療従事者からみれば同じような症状を抱えていても患者自身の健康観や全身の健康状態、職場や家庭などの環境、その他の条件によって特につらいと思うところ、改善したいと思うところなど異なるものになってくるでしょう。

先に述べたカウンセリングによって得る真のニーズとは具体的にはどんなものになるのでしょうか。

患者は口腔に抱えている現在の問題の解決を求めて来院します。
そして、患者によってはその問題さえ解決できればそれだけでよい、という人も決して少なくないでしょう。
その表面的な言葉を真のニーズとして捉えてしまっては、症状が起きたときだけ受診する1回限りの非継続的な対症療法に終始してしまいます。
そこで、重要になってくるのが先に述べたカウンセリングテクニックも含めた歯科医療従事者の患者とのコミュニケーションスキルです。

現時点での口腔の問題は患者の人生や生活において、ほんのちょっとした不快感程度の問題にすぎないかもしれません。
しかし、私たち歯科医療従事者はその患者の今後の人生を健康にかつ充実した質の高いものにする(QOL の向上)ために、その問題だけではなく、口腔全体の健康を保つことが非常に重要であることを知っています。

応急処置的に行なった対処だけで患者を帰してしまうか、その後の口腔健康管理の重要さ、口腔が健康であることの素晴らしさを患者自身が気づき、セルフケアや定期健診に積極的になれるよう導いていけるかは、医療従事者のコミュニケーションスキルにかかっているのです。
これこそがヘルスプロモーション型アプローチといえるのではないでしょうか。

オーラルヘルスプロモーション

ヘルスプロモーションとは、『人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス』とWHOでは定義しています。
このプロセスをサポートするのが、歯科を含む保健医療従事者の役割です。
そしてさらにWHOは、口腔の健康は全身の健康にとって重要なものであり、QOLの決定要因であると断言しています。


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