QOL向上のために歯科医療にできること:MI21.net

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口腔の2大疾患 う蝕

う蝕は歯科医療従事者にとって最もなじみ深い疾患であり、実際にう蝕に関する主訴をもって来る患者さんは非常に多いことでしょう。
う蝕によるリスクを考える前に、まずは簡単にう蝕のメカニズムを考えてみましょう。

脱灰・再石灰化のバランスとフッ化物

脱灰・再石灰化のバランスとフッ化物

再石灰化

私たちの歯は、カルシウムイオン(Ca2+)やリン酸イオン(PO43-)を含むハイドロキシアパタイトから構成されており、通常唾液やプラークに含まれるカルシウムやリン酸イオンなどと平衡状態を保っています。
それがひとたび飲食などで糖分をとり、その糖分からMutans Streptococci(ミュータンス レンサ球菌群)などのう蝕原因菌が酸を産生し、歯をとりまく唾液やプラークなどの環境が酸性になるとその平衡状態は崩れ、歯質は飽和度を保つために溶解し、カルシウムイオンとリン酸イオンを補い平衡状態を保とうとします。この溶解する現象を脱灰と呼びます。そして唾液中の成分の1つである重炭酸イオン(HCO3-) や溶解したリン酸イオン、水酸基イオン(OH-)が、環境を酸性にする水素イオン(H+)と反応して中和され、歯をとりまく環境が過飽和の状態になると再び歯に取り込まれます。この現象を再石灰化と呼びます。
このとき、フッ化物イオン(F-)が介在すると過飽和となる閾値が下がるため、過飽和状態になりやすく、そのためカルシウムイオンやリン酸イオンが歯に取り込まれるのを促進します(再石灰化の促進)。逆に水素イオン(H+)が増えるとその閾値を上げてしまうため、再石灰化もされにくくなります。
私たちの歯は、このようにして日々脱灰と再石灰化を繰り返していますが、プラークの停滞や間欠ない飲食などで酸性状態が長く続くと再石灰化する間もなく脱灰が進み、ついにはう窩となり再石灰化作用では元に戻らない不可逆性のう蝕となってしまうのです。

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