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Dictionary

ら行

ラクトバシラス菌 乳酸桿菌ともいい、グラム陽性の通性嫌気性菌(酸素の有無に関係なく生存できる)だが、酸素の少ない嫌気的条件下の方が発育が良い。これらは、自然界に広く分布し、ヒトでは口腔、腸管などに常在している。糖を発酵して乳酸を産生し、酸性環境下においても生存できる耐酸性にも優れるため、ミュータンスレンサ球菌に次いで、う蝕の原因菌として挙げられることが多い。しかし、ラクトバシラス菌そのものには付着能がなく、プラーク深部や深いう窩などから多く検出されるため、う蝕の初発要因ではないが、う蝕の進行に関連していると考えられている。 同→乳酸桿菌 関連→細菌ミュータンスレンサ球菌耐酸性
リカルデント CPP-ACPという牛乳を原料にした抗う蝕性物質で、メルボルン大学教授であるReynoldsによって開発された。CPP-ACPは、溶液内でリン酸カルシウムを沈殿させずに過飽和の状態にするという機能を持ち、さまざまな試験によって歯牙表面に局在してう蝕を抑制、また再石灰化を促進することが確認されている。この成分を含むガム(リカルデントガム)が1999年に世界で初めて商品化された。ガムを用いた臨床実験においても他のガムに比べ、有意に高い再石灰化率を示している。
罹患部位 病変が見られる場所のこと。う蝕を診断するにあたり、う蝕の罹患部位や過去の罹患部位である修復済みの部位などにも着目することが大切である。個人のう蝕の罹患傾向を予測することができる。
リコール 再来院。長期的な健康管理をめざす、MIに基づく治療では、定期的な検診やプロフェッショナルケアが必須になるため、患者さんにリコールを促すことは非常に重要である。 関連→MIミニマム・インターベンション処置・管理
リスク 危険性。う蝕の診断において非常に重要なことは、現在あるう蝕を進行させてしまう危険性、新たにう蝕を発生させてしまう危険性を予測することである。そのためには、過去のう蝕経験、現在あるう蝕の活動性、歯列や咬合状態、既往歴や現病歴(服用中に薬剤なども含む)、食生活、口腔清掃状態、唾液の量や質、また口腔内のう蝕原因菌数などから多角的に判断し、総括的なリスク診断を行なうことが求められる。 関連→カリエスリスク
臨界pH エナメル質の脱灰し始める水素イオン濃度(pH)。通常臨界pHは、成熟したエナメル質の場合pH5.5〜5.7前後であるが、幼若永久歯や乳歯、象牙質が露出した歯根などはpH6.2前後から脱灰しはじめるので注意が必要である。 関連→水素イオン濃度pH
リン酸イオン 歯を構成する成分のひとつで、歯質(ハイドロキシアパタイト)中のカルシウムイオンやリン酸イオンが溶出していく状態を脱灰、また再び取り込まれるという状態を再石灰化という。通常は全唾液中のカルシウムイオンとリン酸イオンの濃度積はハイドロキシアパタイトより大きいので歯質中のリン酸イオンが唾液中に溶け出すことはない。 関連→脱灰再石灰化カルシウムイオンフッ化物
リン酸カルシウム 骨や歯などの硬組織の無機成分の基本をなすもので、Brownはリン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトの前段階の結晶であるという説を提唱している。 関連→リン酸イオンハイドロキシアパタイト