QOL向上のために歯科医療にできること:MI21.net

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高齢者大国 日本

ジーシーが2000年にMIコンセプトとして情報を発信するようになって8年が経過しました。
その間に、歯科界のみならず社会全体の健康意識も日々刻々と変化し、国民の健康意識、そして歯科のありかたの理想も変わってきました。

2005年は『国勢調査』、『歯科疾患実態調査』および『健康日本21』の中間評価の年でした。
まだ関連するすべての統計の結果が公表されているわけではありませんが、これらの統計データやWHOのレポートなどをもとに、現在の日本における現状、またこれからの日本における健康のありかたなどを考察していきたいと思います。

人工ピラミッドから現在と未来を考える

人工ピラミッドから現在と未来を考える

上記の人口ピラミッドは、総務省により公表されている2005年の国勢調査の結果と、その25年後である2030年の推計値のデータを比較したものです。
終戦後、第1次ベビーブームにより底辺の長い典型的なピラミッド型になった人口ピラミッドも、第1次ベビーブーマーであるいわゆる団塊の世代とその子供たちである団塊ジュニア世代だけが突出した『ひょうたん型』になり、 2030年の推計値では漏斗のような不安定な形状になってしまいました。
総務省の2006年の最新の推計値では、65歳以上の高齢者人口は総人口の20.7%と、5人に1人以上の割合になっています。さらに、高齢者(65歳以上)を74歳以下の前期高齢者、75歳以上の後期高齢者に分けると、75歳以上の後期高齢者は、9.5%と総人口の約1割を占め、近年著しく増加しています。長寿大国であることは喜ばしいことですが、世界的にみても総人口の20%以上を高齢者が占める日本は、トップクラスの高齢者大国だといえます。
また2007年〜2010年は、これまで企業を支えてきた団塊の世代が一斉に定年退職を迎える時期でもあり、そのメリット、デメリットなど、2007年問題としてとりあげられることも多くなりました。上述の推計値から2030年の高齢者の割合を算出すると、高齢者が総人口の31.8%、そのうち後期高齢者は19.7%という驚くべき数値になりました。
出生率の低下と平均寿命の延伸によって今後いよいよ深刻化していく高齢者社会。生産年齢層(15〜64歳)への負担増はもちろんのこと、高齢者自身にとっても必ずしも寿命の延伸が『生活の質』の向上に結びついているとは限りません。
健康な高齢生活を送るためには、長生きするだけではなく、身体的な健康はもちろんのこと、『生活の質』『人生の質』 を高めることをめざしたいものです。

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