2003 年に施行された『健康増進法』は、国民健康づくり運動『健康日本21』の法的支援の側面も持つため、『歯の健康の保持』が法律のなかに明記された、歯科界にとって大変意義深い法律と言えるでしょう。
この『健康増進法』に歯の健康が盛り込まれたこともあり、ほとんどの都道府県レベルの健康増進計画では歯科も盛り込まれています。
しかし、最も地域住民に近い市区町村ではその内容は任意となっているためか地域格差が激しく、実際に全国の市区町村に勤務する歯科医療従事者も少ない現状から歯科以外の医療従事者がどの程度歯科を地域の健康増進計画に盛り込むかは把握しきれないのが現状です。
しかしながら、8020 財団による調査報告では、市区町村での歯科保健事業(フッ化物塗布、フッ化物洗口、成人歯科検診等)の実施状況と各歯科医院での予防処置、特に歯周疾患等の継続予防管理には正の関連が認められ、歯科医院での予防処置実施のきっかけになっていることを示しています。
また、2007 年4月にまとめられた『新健康フロンティア戦略』でも国民の健康寿命の延伸を目的として、その手段に歯の健康も盛り込まれているため、健康づくりのための重要なファクターとして多方面からクローズアップされています。
健康寿命延伸の実現には、国民の健康的な選択を行なうスキルをあげることが必要と考えられ、そのためには、個人個人への健康教育が重要になります。
歯科医療従事者にも「健康教育を行なうスキル」の向上、そして歯科医院の健康教育を行なう場としての「保健医療サービスの方向転換」も必要になってくるのではないでしょうか。
健康日本21